思春期における母性的関わりと父性的関わり
−母子家庭ではどうすればいいのか−
以前にも、何度も、思春期においては、父親の出番は必須であると言ってきました。「母親は、子どもが生まれたときから母親だが、父親は、思春期において子どもと格闘することではじめて父親になる」と、昔思春期の精神科学会で家族療法家として高名であった中村伸一先生がおっしゃったことがずっと印象に残っています。 思春期のプロセスの中で、母親と泥沼のやりとりの世界から、次第に、父親とのやりとりに重点がシフトしていくことは子どもの成長の場面で多く見られるところです。それは、思春期の子どもの心の中で、「もう自分は大人だからなんでも自分でやっていきたい。やっていかねばならない」という、自立の方向に自らを牽引する大人の部分と、次の瞬間「とは言っても、やっぱり、全部お母さんやって」と幼児のような依存的な部分とのギャップが大きくなり、子どもの心の中では折り合いがつかない状態が起こっているからです。折り合いがつけば十… 続きを読む »